富者の原罪
資本主義は、ごく少数の富者が社会全体を引き上げる、と考えます。社会が単純な場合はそれでよかったでしょう。
現代のように、社会サービスが複雑に絡み合う状況ではどうか?
資源の枯渇や環境問題が顕在化している状況ではどうか?
そんな中、一個人が生涯使い切れないほどの資産を保有すればどうなるか。
富の総量は変わらないので、一部が多く取れば、他は不足します。
それが格差を生み、貧困を生みます。
いや、富は“成功の証”、当然の権利というかもしれません。
しかし、人々との関係において得たものは、また、人々に還元しなければならない。
それが、社会の仕組みを利用する者の務めです。
資本主義の課題が提起されて200余年、未だ抜本的改善はなされていません。
それでよしとする人間がいる限り、格差や貧困はなくならないのかもしれません。
思伝門下塾 池之内 亨
2022年10月03日 21:05