美しいもの
“今の世の中で一番美しいのは犠牲者です”(太宰治『斜陽』)。ここに時代を超えた命の真実がを見ます。
小さき者・弱き者・貧しき者たちは、何の取り繕いもなく”そのまま”です。
ゆとりない生活を強いられても、素直な心と屈託ない笑顔を忘れません。
そんな彼らを先人たちは愛しました。
「人生の本質は生きることそのもの」(ブルース・リー)
まさに彼らは日々、“生”そのものを生きていました。
そこには自然に溢れ出てくる“思い”があります。
打算的思考に慣れた私たちからすれば、蒸留水にも似た美しさに感じられます。
そればかりでなく、人心を養う豊かさがあります。
その豊かさこそ、人類が生きていく文化の礎があると思います。
本来、社会全体でその礎を育まなければなりません。
しかし、現実は真逆です。
社会の無明は深いと言わざるをえません。
思伝門下塾 池之内 亨
2022年09月15日 20:34