【メンタル】自然体を貫くことが人との共生の道です
その緊張感の中で、最も大切なのは“自然体”とされます。
それが柔軟な対応を可能とし、結果として自分の命を守れるからです。
どんな状況でも自然体でいられるのが達人であり、その究極の境地が“無心”といわれます。
本来、自然体は、力みが取れ、リラックスしている状態をいいます。
緊急時は緊張するものですが、自然体であれば、本来の伸びやかさが発揮されます。
自然体は、あらゆる束縛から解き放たれ、自在に至る要諦ともいえます。
でもそれは、長い修練により培われた自負や自信があってこそです。
一方、武道には“和合”という考えがあります。
相手と自分の区別をなくし、全体として最善をとる道です。
これは、自分を生かしつつ、他をも生かす“共生の道”です。
元々、武道は自分の命を守るためであり、無闇に相手を傷つけることは本義ではありません。
ここに、達人の深い哲理が感じられます。
さて、現代は依然、“競争社会”という印象を拭えません。
その多くはいわゆる”蹴落とし合い”です。
全ての者が地位や権威を得られる訳ではありません。
優勝劣敗の格差がそれを助長しています。
自然体は、そのような競争社会へのアンチテーゼでもあります。
つまり、自然体を貫くとは、相手を傷つけず自然の摂理に従う決意、人と共に生きるとの表明です。
思伝門下塾 池之内 亨
2024年05月12日 23:47
