【死】死とは、カブトムシの変態のようなものかもしれません
幼虫の頃から育て、蛹となり、6月には羽化しました。
つがいで同日、羽化してきたので、すぐに別々のケースで育てていましたが、
なんと、メスは既に卵を産み始めていました。
8月時点で合計50個産卵、幼虫はもうかなりの大きさに成長しています。
ところで、カブトムシは完全変態をする昆虫です。
幼虫から成虫になる過程で、蛹になります。
そして、成虫になれば、幼虫の時とはまったく異なった姿形になります。
それだけでなく、棲む場所や食べ物まで変化します。
成虫のカブトムシを見て、幼虫の姿を想像できる人はほとんどいないでしょう。
カブトムシは、1年ほど幼虫で過ごしますが、成虫の期間はわずか3ヶ月程度です。
つまり、一生のほとんどを土の中で過ごします。
成虫になって、ようやく空を飛べるようになったのに、わずか3ヶ月。
おかしな話かもしれませんが、ちょっと不思議に思うことがあります。
カブトムシは成虫になった後、一体、幼虫の頃の記憶はあるのだろうか?
あまりに別ものになっているので、そんなものはないだろうと思ってしまいます。
さて、私は、死の現象を見る時、よくカブトムシの変態イメージが思い浮かびます。
人間は死によって体を失います。
何か死後に存続するものがあったとしても、それは無形の実体ということになります。
人間は物質的殻を脱ぎ捨て、全く異なった姿形に変態するといえるでしょう。
その時、肉体を持っていた頃の記憶はあるのでしょうか?
その存続期間はどれくらいなのでしょうか?
思伝門下塾 池之内 亨
2024年08月17日 09:31